虎ノ子の道

青森のお客様から、５００円玉が入る福来朗の貯金箱を頼まれ、

２ヶ月半でやっと出来上がり、ほっとし５００円玉を入れてみると？？？？？

入りません。

別の福来朗には入るだろうと思いましたが、入りません。

１００円玉は入るので、貯金箱にはなりますが、

お客様とのお約束が果せることができません。

又　最初から造り直しです。






収縮率を考えて生地の時は５００円玉はちゃんと入ったのですが・・・

福来朗は少し違う粘土で造っていた為、収縮率がいつもより大きかったのです。

今回、福来朗に穴をあけるのは初めての挑戦だった為、失敗するかもと思い

1個の注文に５個造りましたが、結果失敗です。






焼物は、出来上がって見ないと分からないのですが・・・



生前、父も言ってましたが、有田の中村清六先生も　いつも言ってらっしゃいました。

「焼物は、死ぬまで勉強だぞ。今回良く出来ても　次回が良く出来るとは限らない

いつまでも挑戦しなさい。」

本当に、何度　失敗を経験してきているのでしょう！！



有難い事に、お客様が待ってくださるので、何度か挑戦して　出来る様になります。

有難いです。





３０年ほど前、青磁の急須セットを　30セット注文うけましたが、

３・４回　窯に入れ　150個ほど　急須を焼きましたが、　１個も出来ず

注文を、キャンセルしてもらおうと思い電話しました。

お客様が福岡から、見に来てくださり、割れた急須を見て、

「一生懸命頑張ってくださってる事が良くわかりました。　　出来るまで待ちますので、

造ってください」　と言って待っててくださったお蔭で、

今、青磁のきゅうすが、出来ています。

あの時、断ってらしゃたら　青磁の急須は造ってなかたでしょう！


まだ、私も若かったので、難しいのは、さっさと止めていたはずです。



色んな方々に、ご迷惑を掛けますが、

よろしくお願いします。


　　虎の子１ごうの母